民藝趣味(3) やきものの器
やきものの器の好みに関して、私は必ずしも民藝一筋という訳ではありません。若い頃は土ものの器や北欧製の食器なども持っておりましたが、自分の好みが定まってくるにつれて、磁器の器に入れ替わって行きました。
私のやきもの選びの基準は、先ず堅丈で手に馴染むこと、飽きの来ないすっきりとした意匠であり、器単体の色・形がどうであるかということよりは料理を盛った時どう見えるか、そして、万一破損して仕舞った時、悲しまずに済む程度の金額に収まるかどうかと言うことです。
これまでの人生に於いて、様々な地域に住み、その土地に根ざしたやきものを見る機会に恵まれましたが、自身の基準に照らし自宅用に求めたやきものは、その大半が民藝の範疇に入る物でした。地域という点から言えば、肥前磁器が多くなります。
その中で一番多く所有しているのは有田大日窯の磁器です。
分けても気に入っているのは淡い青白磁の器です。やや緑がかった釉薬の色と薄作りの無駄の無い意匠が相俟って、古風にして清雅の趣。この器は盛岡の光原社で求めました。
仙台の光原社で買った品もあれば、後に窯元を訪れ求めた品もあります。
有田を訪れますと、多くの窯元で現地価格で購入することが出来ます。
私は大日の器に出会ったことで、広く肥前磁器の魅力に気付かせて貰いました。そして、有田、大河内山、波佐見などのやきものの里を幾度も訪れたものです。
大日窯の煙突
さて、料理を盛り付けるとこんな感じです。
豆腐ステーキ
大根の羹
いとこ煮
民藝趣味のティータイム
民藝ではありませんがよく使う肥前磁器としては
白山陶器の大皿。
お馴染み香蘭社の鉢。これだけは頂き物です。
大きな器の場合、どうしても民藝以外の品を選んでしまいます。現在のところ器は充分足りており新しく欲しい物はありませんが、良き出会いがあれば民藝の大鉢を一つ入手したいと思っております。